新型コロナウィルス(COVID-19)治療薬・ワクチン

新型コロナウィルス(COVID-19)治療薬・ワクチン

新型コロナウイルスは、2020年に入って世界中に感染が拡大し、時間の経過とともに感染の影響は拡大してきました。
4月に入っても収束の兆しはまったく見えず、世界中の人々が不安を抱えた生活を与義なくされていますが、ここまで進められてきた治療薬の臨床試験の効果が発表されるなど、明るいニュースも出てきています。

●5月7日、関節リュウマチ治療薬アクテムラの治験を開始。
米製薬大手ファイザーは、コロナワクチンの臨床試験を開始、9月中の承認を目指す。

●5月26日、厚生労働省は5月中のアビガン薬事承認を見送ることを発表、治験は継続する。
安全性については問題は出ていないという。
軽症者の9割が回復したという結果も出ているが、比較対象がないためアビガンの効果とは証明されていない。
早急な承認と言っているが、承認される基準や承認されない理由としてどのような基準を満たしていないのかなどの情報を明確にする必要がある。

◆新型コロナウィルス(COVID-19)

風邪の多くはウィルスによる感染が原因となりますが、風邪の原因の10~15%がコロナウィルスによるものとされています。
コロナウィルスは、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4グループに分類されます。
このうちαとβは主に哺乳類に、γとδは主に鳥類に感染するコロナウィルスです。
これまで人に感染したことのあるコロナウィルスは6種類ありますが、このうち4種類は一般的な風邪の原因のひとつとされ、重症化せずに治癒することが多いものです。
残りの2種類はSARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)と呼ばれるもので、重症リスクが高く発症時には大きな問題となりました。
昨年12月に中国武漢で原因不明の集団肺炎が発生し、新種のコロナウィルスが原因で肺炎を引き起こしていることが分かりました。
この7番目のコロナウィルスは新型コロナウィルス(COVID-19)、武漢ウィルスなどと呼ばれ、世界規模で感染者が拡大し深刻な問題となっています。
潜伏期間は2日~14日(その後12.5日へ短縮された)、咳、発熱、喉の痛み、頭痛、呼吸障害などの症状が確認されています。

●新型コロナウィルスの種類
2019年に武漢で発症した新型コロナウィルスは、2020年には世界中に拡散して甚大な被害が発生しています。
3月にはいるとEUではイタリア、スペインを中心とした周辺国、さらにアメリカでもウィルス感染が爆発的に広がりを見せています。
初期に発生したコロナ・ウィルスは時間の経過とともに変異して、より感染力が強く重症化する傾向が高いため、感染者の増加スピードが速く致死率も高くなっています。
4月現在では、新型コロナウィルスはL型とS型の2種類に分類され、L型は感染力、毒性が強く、重症化しやすいと言われ、S型は感染力、毒性が弱く、自然に近いゲノム配列とされています。
時間の経過と感染の広がりによってウィルスの変異が起きると、今後の薬やワクチンの開発には、支障となる可能性も高まってきます。

◆治療薬/ワクチン

新型コロナウィルス感染者の治療は、現時点では有効な薬や治療法がなく、普通の風邪と同様に対症療法による治療が中心となります。
感染から時間が経過することによって、免疫機能に抗体ができて治癒に向かうということです。
治療薬の候補として抗ウィルス薬レムデシビル(米ギリアド)、抗HIV薬ロピナビル/リトナビル配合薬(米アッヴィのカレトラ)、抗インフルエンザ薬ファビピラビル(富士フィルム富山化学のアビガン)などの既存治療薬が挙がっていて、現在各国の医療機関で臨床試験が実施されています。
治癒した感染者から血漿を作ったり、新薬などの研究も進められています。
国際オーソモレキュラー医学会では、ビタミンC、D、亜鉛、マグネシウム、セレンなどの栄養素を摂取することで、免疫力が向上して感染防止、重症化防止などの効果が期待できるとしています。
●アビガン
アビガンは、富士フィルム富山化学がウィルスの増殖を抑える薬として開発されたインフルエンザ治療薬。
富山化学は3月31日に国内臨床第3相試験を開始、6月には試験が終了する見通しとなっています。
ただ、治療薬として正規の手順を踏んで承認されるには、まだまだ時間がかかりそうだ。
4月9日にはアメリカでも臨床第2相試験を開始することを発表しています。
PCR検査で陽性となって入院した患者が、アビガン投与6日で退院した事例も報告されています。

4月1日、安倍総理は新型コロナウィルスの治療薬の有力候補として注目される、アビガン(ファビピラビル)の治験プロセスを開始、200万人分の備蓄に向けて増産する方針とすることを発表。
中国の臨床研究では、既に高い改善率が報告されていることから、多数の国が注目、1日も早い正式承認が望まれる。
化学品メーカーの電化は、アビガンの原料となるマロン酸ジエチルを5月下旬から生産する準備に入る。

5月4日
安倍首相、5月中に薬事承認の見通しと発表。
アビガンのコロナ患者用の備蓄は現時点で70万人分、今年度中に200万人分の備蓄を目指す方針。

5月21日、安倍首相が5月中に承認を目指すと言われていたアビガンの承認に、ここへきて厚労省や専門家がら慎重な姿勢との記事が掲載されている。
過去にスピード承認された薬の薬害で大きな犠牲者が出たことを危惧しているようだ。
かつて悪魔の薬といわれたサリドマイドは新生児の奇形、流産、死産を生み出し、世界中で20万人もの被害が発生した。
アビガンにも新生児の奇形リスクがあることから、悪魔の薬と薬害リスクをケニンする声が出てきた。
しかし、アビガンは既にインフルエンザ治療薬として承認された薬で、妊婦を除いた安全性は確認されているはず、コロナ治療薬としての治験が不十分というならわかるが、今になって安全性に疑問が出てくることは腑に落ちない話だ。

●新型コロナウィルス予防ワクチン完成
3月24日、アンジェスは新型コロナウィルス予防ワクチンが完成、動物実験を開始することを発表。

膵炎治療薬フサン(ナファモスタット)については患者の同意を得たうえで、投与を開始する予定。

6月17日、大坂市、大坂大、アンジェスなどが連携して開発しているワクチンについて400~500人を対象として10月から治験を実施する方針。来年秋までに実用化を目指す。

●レムデシビル
4月10日、エボラ出血熱の治療薬候補であるレムデシビルを新型コロナウィルスの重症患者53人に投与した結果、7割近くに症状の改善効果が認められたことを、日米欧など国際研究チームが米医学誌に発表。

4月16日、米医療関連ニュースサイトSTAT
レムデシビルの臨床試験で新型コロナウイルス感染者が急速の回復していることを発表。
シカゴ大医学部の臨床試験において、125人の感染者を対象としてレムデシビルを毎日投与した結果、発熱や呼吸器症状が著しく改善し、一週間以内にほぼ全ての患者が退院、内2人が死亡と報じた。

4月29日、日本経済新聞
米製薬大手ギリアドは、レムでシビルの重症患者への治験において肯定的な結果が出たことを発表、欧米での承認が早ければ5月中とみられる。
欧米で承認されれば日本でも特例承認で数日程度で承認が可能となる見込み。
承認されればギリアドは日本に無償提供されることになるが、日本では必要な体制が十分に整っていないため、当面保険の適用とはならない。
ただ新型コロナウイルスの入院治療費は公費の補助が適用されるため、患者負担はない。

5月3日、BBC
米政府はレムデシビルの緊急使用を許可、重症患者の集中する地域の病院へ配布する予定。
ギリアドは増産体制を整備、10月までに50万症例分を用意する。
日本でも近日中に特例承認される見込み。

5月7日、日本経済新聞
国内初の新型コロナウイルス治療薬として米ギリアド社レムデシビルを承認。
原則として重症患者に限定して投与される方針とされている。
※当面は米国中心に被害の大きい欧州諸国に割り当てられ、日本では薬の確保が難しそうだ。
米国でも価格の設定が決まっておらず、本格的な治療として投与するには少し時間がかかる見通しといえそう。

●血清療法
4月16日、時事ドットコムニュース
新型コロナウイルス感染症の回復期にある患者から採取した血漿(けっしょう)を中国武漢市の重症患者10人に投与したところ、全員が3日以内に症状の改善を示したと武漢生物製品研究所などの研究チームが16日までに米科学アカデミー紀要電子版に発表した。目立った副作用はなく、3人が退院した。

●太陽光はウイルスの不活性化に効果
米国土安全保障省ウィリアム・ブライアン長官は太陽光が物質の表面や空気中のウイルスを不活性化する効果があること、温度と湿度の上昇についてもウイルスを不活性化する効果があること、を明らかにした。
ウイルスの半減期は、気温21~24度、湿度20%の物質表面で18時間、湿度80%で6時間に短縮、これに太陽光が加わるとわずか2分に短縮される。
空気中に漂うエアロゾル状態では、気温21~24度、湿度20%で1時間、これに太陽光が加わると1分半に短縮されるという。
これにより夏場には気温や湿度が上昇して日差しも強くなるので、ウイルス感染が抑えられる環境が生み出されるとしている。

●イベルメクチン
イベルメクチンは寄生虫を原因とする熱帯感染症の治療薬として開発されたもので、海外の研究では新型コロナウイルスの増殖を抑える効果が報告されている。
4月6日、北里大はイベルメクチンを新型コロナウイルスの治療薬として承認を目指す治験を実施することを発表。
その他、ぜんそく薬のシクレソニドは臨床試験が続けられている。

●ワクチン
5月4日、英製薬アストラゼネカ(Astra Zeneca)は、今年から来年にかけて新型コロナウイルスのワクチン候補を20億回分生産可能とする見通しを発表した。
オックスフォード大学、世界最大のワクチンメーカーであるインドのセラム・インスティチュート・オブ・インディアとの共同開発。
さらにビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団が後押しするGAVIアライアンス、感染症対策イノベーション連合とも契約、7億5000万ドル規模で合意して3億回分のワクチン候補を生産する。

●デキサメタゾン
7月17日厚生労働省は、デキサメタゾンをレムデシビルに続く国内で2例目のコロナ治療薬として認定した。
国内で肺疾患や感染症の治療薬として使われているステロイド薬で、既に保険適用され後発薬も開発されされているため安価で手に入りやすい。
オックスフォード大学の研究結果では、人工呼吸器が必要な患者の致死率が40%から29%に低下、酸素吸入が必要な患者の致死率も低下したと発表された。

◆感染経路や原因

感染経路については色々な憶測が飛び交っていますが、現時点で感染経路が特定できない感染者が全国で多数発症しています。
日本では比較的に感染の拡大が抑えられているようですが、ウィルス検査を受けていない感染者の把握が不十分で、既に感染経路の特定は困難な状況となっています。
感染の原因について、新型コロナウィルスに限ったことではありませんが、飛沫感染と接触感染が感染原因とされています。
飛沫感染は、感染者の咳やクシャミによってウィルスが空気中に放出され、それを吸い込むことで感染するものです。
感染者と至近距離で話をしていても感染リスクは高まります。
接触感染は、感染者の手などにウィルスが付着している場合、手に付いたウィルスが電車のつり革などを経由して感染するものです。

◆予防措置

新型コロナウィルスも他のウィルスと同様に熱、アルコール、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)などに弱いことが分かっています。
熱を加えるなら70℃以上で一定時間(数分)、濃度70%~83%のアルコール、濃度0.5%以上の次亜塩素酸ナトリウムで新型コロナウィルスは死滅します。
外出を自粛して人との接触を極力避けることが最も効果的な対策となります。
手洗い、うがい、マスク着用、外出自粛、人との距離を置く、密集した場所を避けるなど、個人個人で実践できる対策を講じることも感染から身を守るために重要です。
予防措置を講じれば100%安全というわけではありませんが、感染リスクを大幅に低下させる効果がありますから、できることは面倒がらず実践していきましょう。

①うがい
うがいをすると口に入ったウィルスを除去する効果がありますから、外出からの帰宅時にうがいをするように心がけましょう。

②手洗い
手洗いは接触感染を防止するには有効です。
就寝時、起床時、外出から帰宅したときには、こまめに手洗いを実施しましょう。
手洗いはウィルスを死滅させる濃度70%のアルコールを利用するのが有効ですが、なければ石鹸などで手や指に付着したウィルスを丹念に洗い流すことが効果的です。
アルコール消毒液が品薄状態で手に入りにくいため、代替えにアルコール濃度の高いアルコール飲料を利用する人が増加して、一部の銘柄では既に売り切れ状態が続いているという。
洗っていない手で目、鼻、口を触らないようにしましょう。感染リスクが高まります。

③マスクの着用
感染者がマスクを着用すれば飛沫の量が減少して、他人への感染を抑止する効果がありますが、自身の感染リスクを減少させる効果は限定的とされています。
満員電車など人が密集する場所、近距離での会話などのシーンでは、直接ウィルスを吸い込むリスクをある程度は回避できますが、マスクを通過して感染する可能性も十分ありえます。
サージカルマスクは、密着性が低く、大きな粒子の飛沫を防ぐ効果はあります。
N95は密着性が高く、小さな粒子も防ぎ、浮遊粒子の95%以上を遮断できますが、在庫不足で手に入りにくく、通気性が悪いため呼吸が苦しくなって1日中着用するには無理があります。
普通の布製マスクとうがいを併用するほうが、現実的だと思います。
マスクの表面にはウィルスが付着する可能性がありますから、手で触らないよう注意しましょう。
マスクからの感染防止にため、マスクは毎日交換するか、消毒して再利用する必要があります。
現状、薬局のマスクは品切れ状態で手に入りにくいですが、通販では十分在庫があります。

④外食は避ける
ハンバーガーショップでは手で食物や口に触れる機会が増えるため、感染リスクが高まります。
利用する場合は、手をアルコール洗浄することを心得ましょう。
外食店舗では店員が食べ終わった食器を下げるときに食器に触れ、同じ手で料理を客に出すことになります。
いちいち手を洗ったりしないのが普通ですから、感染リスクが高まります。
普段は結構な客が入っている店舗でも、最近はコロナウィルスの影響でガラガラの店舗も見受けられます。
コロナウィルスが収束するまで外食は避けるのが賢明でしょう。

⑤室内
室内が乾燥するとウィルスが空気中を浮遊して口や鼻から吸い込むリスクが高まります。
乾燥を避け湿度を一定(70%前後)に保つことでウィルスは浮遊できなくなって下に落ちてしまうため、吸い込むリスクを低下させることができます。
特に冬場は暖房によって室内が乾燥しやすくなるので、就寝時には暖房を切ったり、換気などにも注意が必要です。

⑤食事
ウィルスは熱を加えると死滅しますから、現在の状況が収束するまでは生ものの摂取は控えたほうが良いでしょう。
感染しにくい、重症化しにくいとされる栄養素として、ビタミンC、D、亜鉛、セレン、マグネシウムが挙げられています。

⑥喫煙
新型コロナウィルス感染症と喫煙の関係では、喫煙者が感染した場合に重症化する可能性が高くなるという。
WTOによると中国では男性の喫煙率が52.1%、女性が2.0%で圧倒的に男性の喫煙者が多い。
新型コロナウィルスの男性感染者の割合は55%、重症化の割合は61.5%、致死率は3倍以上となっている。
原因として喫煙率の高い男性は喫煙の影響で肺疾患を抱える割合が高く、感染症の影響を受けやすいことが指摘されている。

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