FISワールドカップ・アルペンスキー大会2023-2024オーストリアのゼルデンで10月28日(土)開幕

第107回インディ500マイル2023結果速報|琢磨最後のチャレンジ

第107回インディ500マイル2023結果速報|琢磨最後のチャレンジ

今年で第107回を迎えるインディ500マイルが2023年5月28日に開催されます。
インディ500は世界3大レースのひとつですが、同じ日にF1のモナコGPも開催される予定です。
平均速度は周回レースのなかではインディ500が世界最速のレースで、世界一面白いレースであることは間違いありません。
同日開催のF1モナコGPはポールをとった選手がトップに立てば、あとは単調なレース展開となる傾向が強いですが、インディ500は目まぐるしく順位が変動する波乱万丈でスリリングなレースです。
琢磨は優勝候補のひとりですが、優勝する可能性のある選手は十本の指で数えるには足りないほどの激戦が予想されます。
今年はチップガナッシとマクラーレンが有望ですが、この二チームだけで8人の優勝候補が揃っています。

過去2度優勝している佐藤琢磨選手は、インディ500のレースを最も得意とする選手ですが、ここ2年期待された結果が出ていません。
レースの内容は決して悪いとは思いませんが、いずれも終盤のノンストップ作戦が裏目に出ています。
今年は最強チームのチップ・ガナッシからの参戦となりますが、ここまでプラクティスで最速タイムを2回、予選は8位となりますが、決勝直前の最終プラクティスでも最速タイムを叩き出し参戦体制は万全と思われます。
強豪選手がひしめく激戦となりますが、最強チームの後押しもありますので、過去2年のようなチグハグなレースにはならないでしょう。

2020年に優勝した琢磨の所属するレイホール・レターマンは、当時3位のグラハムが最下位の34位で予選落ちとなりましたが、ルーキーのベンジャミン・ペダーセンが11位、唯一の女性ドライバーであるキャサリン・レッグが30位に入って健闘しています。

予選で25位のポジションを獲得したルーキーのステファン・ウィルソンは、22日のプラクティスでクラッシュして胸骨を骨折、決勝レースを断念せざるを得なくなった。
予選落ちしたレイホール・レターマンのグラハムが、ドレイヤー・レーシングから代役で決勝レースに参戦することが決まった。

■決勝

◆レース結果

インディ500決勝結果
Driver Car Team P Q F
ジョセフ・ニューガーデン 2 Team Penske 9 17 1
マーカス・エリクソン 8 Chip Ganassi Racing 18 10 2
サンティノ・フェルッチ 14 A.J Foyt Enterprises 31 4 3
アレックス・パロウ 10 Chip Ganassi Racing 4 1 4
アレクサンダー・ロッシ 7 Arrow Mclaren SP 14 7 5
スコット・ディクソン 9 Chip Ganassi Racing 2 6 6
佐藤琢磨 11 Chip Ganassi Racing 1 8 7
コナー・デイリー 20 Ed Carpenter Racing 12 16 8
コルトン・ハータ 26 Andretti Aoutsports 7 21 9
リーナス・ヴィーケイ 21 Ed Carpenter Racing 33 2 10
ライアン・ハンターレイ 23 Dreyer & Reinbold Racing 22 18 11
カラム・アイロット 77 Juncos Hollinger Racing 32 28 12
デブリン・デフランチェスコ 29 Andretti Aoutsports 26 26 13
スコット・マクラフリン 3 Team Penske 10 14 14
エリオ・カストロネベス 06 Meyer Shank Racing 20 20 15
トニー・カナーン 66 Arrow Mclaren SP 11 9 16
マルコ・アンドレッティ 98 Andretti Aoutsports 19 24 17
ジャック・ハーヴェイ 30 Rahal Letterman Lanigan 13 32 18
クリスチャン・ルンガー 45 Rahal Letterman Lanigan 25 31 19
エド・カーペンター 33 Ed Carpenter Racing 21 13 20
ベンジャミン・ペダーセン 55 Rahal Letterman Lanigan 17 11 21
グラハム・レイホール 24 Dreyer & Reinbold Racing 30 34 22
ウィル・パワー 12 Team Penske 3 12 23
パトリシオ・オワード 5 Arrow Mclaren SP 15 5 24
シモン パジェノー 60 Meyer Shank Racing 23 22 25
アグスティン・カナピノ 78 Juncos Hollinger Racing 6 27 26
F.ローゼンクヴィスト 6 Arrow Mclaren SP 28 3 27
カイル・カークウッド 27 Andretti Aoutsports 5 15 28
デイビッド・マルカス 18 Dale Coyne Racing 16 23 29
ロメイン・グロージャン 28 Andretti Aoutsports 8 19 30
SR・ロブ 51 Dale Coyne Racing 23 33 31
RC・エナーソン 50 Abell Motorsport 27 29 32
キャサリン・レッグ 44 Rahal Letterman Lanigan 29 30 33
ステファン・ウィルソン 24 Dreyer & Reinbold Racing   25  

◆琢磨の挑戦

●2023年

第107回インディ500マイルが日本時間5月29(月)深夜1:30分にスタートを切った。
オープニングラップはポール獲得のパロウが首位をキープ、琢磨も8位をキープした。
20周を過ぎたあたりで4位を走行していたディクソンがズルズルと15番手まで後退してピットイン。
あとは多少の順位変動があったものの落ち着いた流れ。
30周目の終わりから各車ピットインが始まり、8位を走行していた琢磨は、ここで10位に順位を落とした。
首位を走行するパロウが61周目に2度目のピット、各車これに続いていく。
ここからマクラーレンのオワードとローゼンが首位にたち集団を引っ張るかたちでレースが進んでいく。
92周目に琢磨が失速して順位を落とした直後にドレイヤーのロブが単独クラッシュ、初めてのイエローフラッグが振られた。
94周目にピットオープンになると各車一斉にピットイン、ピットアウトでヴィーケイがパロウに激突、パロウが大きく順位を落とした、
決勝レース直前には本命と見られていたチップ・ガナッシ勢は、前半終了段階でエリクソンが9番手、パロウ、ディクソン、琢磨は後方に沈んでいる。
101周目にリスタートが切られ、ローゼンが首位、チップガナッシ勢はエリクソンが9位から5位に、琢磨も17位から14位にジャンプアップ。
130周目を過ぎて首位はローゼン、エリクソン、ニューガーデンと続く。
チップガナッシ勢は、エリクソンが2位、琢磨が10位、パロウが12位と順位を戻してきた。
150周目にグロージャンが単独クラッシュ、2度目のイエローが振られた。
157周目にリスタートが切られると、ここでニューガーデンが首位、琢磨は11位をを走行。
170周目あたりから各車が最後のピットへ向かうなか、琢磨が初めてのラップリーダーとなり首位に立つが、
ここで琢磨もピットへ向かい順位を大きく後退する。
過去2年でも首位に立った後には必ず順位を大きく落とす傾向がある。
残り15周、ローゼンがスピンしたところにカークウッドが巻き込まれクラッシュ、カークウッドの左リアタイヤがフェンスを飛び越え、3度目のイエローが振られた。
残り9周でリスタート、首位にオワード、エリクソン、ニューガーデンと続き、この3台が横並びの首位争いのなか、オワードがクラッシュ、4度目のイエローが振られた。
残り4周でリスタート、首位のニューガーデンをエリクソンが交わしたところで、今度は後方で多重クラッシュ、5度目のイエローだ。
ニューガーデンはインディ500初優勝を目前に4位に後退、万事急須と思われた。
しかし、ファイナルラップを残してリスタートが決定、優勝戦線から脱落したニューガーデンは死ぬ気でアクセルを踏んだ結果、勝利の女神がニューガーデンに微笑んだ。
一瞬先も見えない波乱万丈のドラマが幕を閉じた瞬間だ。
余談となるが琢磨もファイナルラップの一周だけで、10位から7位へジャンプアップした。
琢磨は優勝したニューガーデンと同じ離れ業をやってのけたのだ。

●2022年

第106回インディ500マイルが日本時間5月30(月)深夜1:45分にスタートを切る。
3時間ほど前にはF1モナコGPが開催され、モナコは降雨に見舞われ悪天候となったが、インディアナポリスは快晴で幕を開ける。
観客動員数も30万以上を越え、史上2番目の記録と予想されるなか、グリーンフラッグが振られ一斉にスタートを切った。
30万の歓声が響き渡る観衆のなか、インディアナポリスには、ようやくパンデミックから復帰して熱狂が戻ってきた。
プラクティス走行では、3連続トップタイムを記録して絶好調の琢磨は、10番グリッドからのスタートとなった。
オープニングラップは11位、さらにフェルッチにも抜かれ12位に後退、19周目にようやくパワーを抜いて11位。
最初のピットは30周目、優勝候補のチップガナッシ勢からディクソン、パロウが続き、33周目に琢磨がピットへ向かった。
40周目、ヴィーケイのクラッシュによって最初のイエローが振られた。
46周目、レース再開直後に琢磨が大外を回ってジャンプアップ、7位に順位をあげてきた。
さらにアイロットのクラッシュで2度目のイエロー、6位に順位をあげていた琢磨がピット後に10位に後退した。
100周目、今度はグロージャンのクラッシュで再びイエロー、ここで琢磨は9位から8位に順位をあげてきた。
145周目、琢磨はピットでタイムロス、12位まで順位を落とすことになった。
157周目、イエロー中にピットへ向かった琢磨は、残り43周を昨年と同様にノンストップ作戦のギャンブルにでた。
27位まで後退した琢磨は燃費走行でチャンスを待っていた。
各車最後のピットへ向かうなか琢磨は185周目に4位までジャンプアップ、ぎりぎりの燃費のなかエリクソン、オワードに抜かれ厳しい状況。
このままいけば5位確定と思われたが、昨年と同様燃料が持たなかったようだ。
イエロー期待のなか残り10周を切り、燃料が足りなくなった琢磨は193周目にやむなくピットへ向かった。
その翌周にジョンソンがクラッシュ、僅か1周の差で琢磨の優勝チャンスは消滅、万事休すだ。
レースは残り4周でレッド、琢磨は25位でレースを終えた。
終盤では一時はトップに立った琢磨だが、昨年と同じ選択を余儀なくされ燃料切れ、紙一重の惜しい内容だった。
プラクティスは絶好調だったが、本番ではいま一歩足りない結果となった。
終わってみれば、終盤のレースは予想の出来ない面白い内容だったと思う。

■インディ500開催スケジュール

第107回インディ500開催日程2023
日程 現地時間(日本時間)時差13時間 イベント
5/16(火) 09:00~11:15(22:00~24:15) Practice1(※中止)
5/16(火) 13:00~18:00(翌02:00~07:00) Practice2
5/17(水) 12:00~18:00(翌01:00~07:00) Practice3
5/18(木) 12:00~18:00(翌01:00~07:00) Practice4
5/19(金) 12:00~18:00(翌01:00~07:00) Practice5
5/20(土) 08:30~09:30(21:30~22:30) Practice6
5/20(土) 14:00~15:00(翌3:00~翌4:00) Qualifying1(13位以下決定)
5/22(月) 14:00~15:00(翌3:00~翌4:00) Top12 & Practice7
5/22(月) 14:00~15:00(翌3:00~翌4:00) Qualifying2(Top12)
5/22(月) 14:00~15:00(翌3:00~翌4:00) Qualifying3(Last Chance)
5/22(月) 14:00~15:00(翌3:00~翌4:00) Qualifying4(Top6)
5/26(金) 11:00~13:00(翌00:00~翌02:00) Final Practice
5/26(金) 17:10~18:00(翌03:30~翌05:00) Pit Stop Conpetition
5/28(日) 12:30~(翌1:30~) Final Race

■プラクティス

◆FP1

プラクティス初日、琢磨は時速229.439マイルのベストスピードをマークし、この日のトップにたった。
今年はデイルコインから強豪チップガナッシへの移籍が決まり、オーバルコースのみの参戦となるが、チーム力では大幅な強化となり万全の体制で臨むことが期待される。
チップガナッシは4名の選手全員が、上位7位までの記録で他のチームを圧倒している。
ここ2年不調が続いていた琢磨だが、昨年もインディ500のプラクティスで3連続最速タイムを記録、最も得意とするインディ500のコースで復活の兆しが見えてきた。

インディ500プラクティス結果
Driver Team Car P1 P2 P3
佐藤琢磨 Chip Ganassi Racing 11 1 7 1
スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing 9 2 2 10
サンティノ・フェルッチ A.J Foyt Enterprises 14 3 11 18
アレックス・パロウ Chip Ganassi Racing 10 4 9 11
スコット・マクラフリン Team Penske 3 5 24 12
コルトン・ハータ Andretti Aoutsports 26 6 5 6
マーカス・エリクソン Chip Ganassi Racing 8 7 1 2
ライアン・ハンターレイ Dreyer & Reinbold Racing 23 8 22 19
ジョセフ・ニューガーデン Team Penske 2 9 20 3
マルコ・アンドレッティ Andretti Aoutsports 98 10 17 17
ジャック・ハーヴェイ Rahal Letterman Lanigan 30 11 21 32
ウィル・パワー Team Penske 12 12 4 4
グラハム・レイホール Rahal Letterman Lanigan 15 13 12 31
コナー・デイリー Ed Carpenter Racing 20 14 6 16
ステファン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing 24 15 33 27
デイビッド・マルカス Dale Coyne Racing 18 16 23 25
シモン パジェノー Meyer Shank Racing 60 17 3 20
リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter Racing 21 18 30 5
アレクサンダー・ロッシ Arrow Mclaren SP 7 19 10 9
パトリシオ・オワード Arrow Mclaren SP 5 20 8 13
トニー・カナーン Arrow Mclaren SP 66 23 13 21
エリオ・カストロネベス Meyer Shank Racing 06 24 18 22
カイル・カークウッド Andretti Aoutsports 27 25 14 8
SR・ロブ Dale Coyne Racing 51 26 19 29
F.ローゼンクヴィスト Arrow Mclaren SP 6 27 16 7
エド・カーペンター Ed Carpenter Racing 33 28 31 23
デブリン・デフランチェスコ Andretti Aoutsports 29 29 29 24
ロメイン・グロージャン Andretti Aoutsports 28 30 25 14
キャサリン・レジ Rahal Letterman Lanigan 44 31 34 28
クリスチャン・ルンガー Rahal Letterman Lanigan 45 32 27 30
RC・エナーソン Abell Motorsport 50 33 28 33
カラム・アイロット Juncos Hollinger Racing 77 34 32  

■予選

プラクティスでは初日と3日目にトップタイムを記録した琢磨、ここまでは非の打ちどころがなく好調を維持している。
昨シーズンも3連続トップタイムを連発し絶好調だった。
当然予選でも上位の結果が出せると期待されるが、まずは土曜日のQ1突破が最初の課題となるが、結果は8位とまずまずのポジションをキープした。
翌21日のQ2でも8位となりQ3進出には至らなかったが、悪いポジションではない。

今年の見どころはチーム戦、プラクティスではチップガナッシが圧倒したが、予選では激戦が展開されマクラーレン、エドカーペンター、AJフォイトがしのぎを削る。
中でもレイホールレターマンのペダーセンは、今年デビューしたばかりでQ1を通過してきた。
チップガナッシとマクラーレンは4選手が10位以内に入る健闘ぶり、有力チームのなかではペンスキーが劣勢に立っている。

インディ500予選結果
Driver Team Car Q1 Q2 Q3
アレックス・パロウ Chip Ganassi Racing 10 3   1
リーナス・ヴィーケイ Ed Carpenter Racing 21 4   2
F.ローゼンクヴィスト Arrow Mclaren SP 6 1   3
サンティノ・フェルッチ A.J Foyt Enterprises 14 9   4
パトリシオ・オワード Arrow Mclaren SP 5 8   5
スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing 9 5   6
アレクサンダー・ロッシ Arrow Mclaren SP 7 2 7  
佐藤琢磨 Chip Ganassi Racing 11 7 8  
トニー・カナーン Arrow Mclaren SP 66 6 9  
マーカス・エリクソン Chip Ganassi Racing 8 10 10  
ベンジャミン・ペダーセン Rahal Letterman Lanigan 55 11 11  
ウィル・パワー Team Penske 12 12 12  
エド・カーペンター Ed Carpenter Racing 33 13    
スコット・マクラフリン Team Penske 3 14    
カイル・カークウッド Andretti Aoutsports 27 15    
コナー・デイリー Ed Carpenter Racing 20 16    
ジョセフ・ニューガーデン Team Penske 2 17    
ライアン・ハンターレイ Dreyer & Reinbold Racing 23 18    
ロメイン・グロージャン Andretti Aoutsports 28 19    
エリオ・カストロネベス Meyer Shank Racing 06 20    
コルトン・ハータ Andretti Aoutsports 26 21    
シモン パジェノー Meyer Shank Racing 60 22    
デイビッド・マルカス Dale Coyne Racing 18 23    
マルコ・アンドレッティ Andretti Aoutsports 98 24    
ステファン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing 24 25    
デブリン・デフランチェスコ Andretti Aoutsports 29 26    
アグスティン・カナピノ Juncos Hollinger Racing 78 27    
カラム・アイロット Juncos Hollinger Racing 77 28    
RC・エナーソン Abell Motorsport 50 29    
キャサリン・レッグ Rahal Letterman Lanigan 44 30    
クリスチャン・ルンガー Rahal Letterman Lanigan 45 31    
ジャック・ハーヴェイ Rahal Letterman Lanigan 30 32    
SR・ロブ Dale Coyne Racing 51 33    
グラハム・レイホール Rahal Letterman Lanigan 15 34    

 

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