FISワールドカップ・アルペンスキー大会2023-2024オーストリアのゼルデンで10月28日(土)開幕

ワールドカップ・アルペンスキー競技/種目・ルール・ランキングポイント

ワールドカップ・アルペンスキー競技/種目・ルール・ランキングポイント

アルペンスキーは毎年10月末から11月初めに始まり、翌年3月頃まで開催されるスキー競技で、ヨーロッパ、北アメリカでは人気のスキー競技です。
ワールドカップ、世界選手権、冬季オリンピックはアルペンスキーの主要な大会で、世界中のファンが観戦するウィンタースポーツの花形競技のひとつとなっています。
日本ではノルディック・スキージャンプ競技が人気となっていますが、アルペンとノルディックはスキーの二大競技で多くの種目に分かれています。

■アルペンスキー競技

アルペンスキーはフランス、スイス、オーストリアのアルプス地方で発達した滑走に特化したスキー技術で、冬季オリンピックの正式種目となっています。
競技種目は、滑降、スーパー大回転、大回転、回転、複合の5種目、男女別に合計10種目で構成されています。
ノルディック競技との相違は、スキー板が足底全体に固定されたビンディングを使用するのがアルペン競技で、かかとが固定されていないのがノルディック競技です。
シーズン毎のランキングは、全種目を対象にした総合ランキング、種目別ランキングがあります。
ポイントの仕組みは順位のみで決定するシンプルなもので、ゴルフやテニスのように大会毎にポイントが異なったり、増えたり、減ったりする複雑な計算もありません。

◆シード選手

競技の順番はランキングの順位によって決められ、ランキング15位までの選手を第1シード、ランキング7位までの選手はトップ7と呼ばれ、1位~7位、8位~15位それぞれ抽選によって順番が決定する。
16位以降はポイントの高い順に順番が決まる、テクニカル系の種目では2回の滑走が行われ、2回目の決勝は1回目の上位30位までの選手によって30位の選手から降順に順番が決まる。
種目によっては別のルールによって順番が決定する。

日本人としては、海和俊宏、岡部哲也、木村公宣、皆川賢太郎、佐々木明、湯浅直樹、の6人がワールドカップ第1シード選手となったことがある。
なかでも木村公亘と佐々木明の二人は、トップ7まで昇った選手、この頃は深夜のテレビ放送を見ていた人も数多くいた時代です。
猪谷千春は、男子回転で日本人として初めて冬季五輪銀メダリストに輝いた選手。

◆ワールドカップポイント

試合毎に1位~30位の選手にはワールドカップポイントが付与され、ポイントの合計によって総合ランキング、種目別ランキングが決定する。

順位 ポイント 順位 ポイント 順位 ポイント 順位 ポイント 順位 ポイント
1 100 7 36 13 20 19 12 25 6
2 80 8 32 14 18 20 11 26 5
3 60 9 29 15 16 21 10 27 4
4 50 10 26 16 15 22 9 28 3
5 45 11 24 17 14 23 8 29 2
6 40 12 22 18 13 24 7 30 1

■アルペンスキーの種目

◆滑降(DH:Downhill)

滑降は代表的なスピード系の種目で、6つの要素(技術、勇気、スピード、危険、身体能力、判断力)が試される種目です。
標高差は、男子:800m~1100m、女子:500m~800m、距離2.5km~4km、平均傾斜15度~30度の斜面を時速80km~150kmで滑走するアルペンスキー種目のなかでは最長、最速の種目が滑降です。
高速で滑走するためコースを外したり、転倒すれば大けがを負うリスクが高く、技術と勇気が要求されます。
過去には生命を失った選手もいる危険な競技で、本番前の試走が義務付けられている唯一の種目となります。
競技は通常1本のみで、コース上の旗門(幅8m以上)を正確に通過してゴールまでのスピードを競う種目です。
スキー板の長さは、男子:218cm以上、女子:210cm以上と規定されています。
また複合種目のひとつにも採用されています。

◆スーパー大回転(SG:Super Giant Slalom Skiing)

滑降と同様にスピード系の種目に分類されますが、大中のターンを行う技術的な要素もプラスされています。
標高差は、男子:400m~650m、女子:400m~600m、平均傾斜15度~20度に設定される。
旗門の最低数は、男子:35、女子:30、最大数は標高差の10%未満(男子:40~65、女子:40~60)と規定されています。
旗門間の距離は15m~28m、滑降に比べるとターンの技術が要求されるコース設計になるので、平均スピードはある程度制限されますが、最高時速100km以上の区間も存在します。
競技は通常1本のみで、コース上の旗門(水平旗門:幅6~8m、垂直旗門:幅8~12m)を正確に通過してゴールまでのスピードを競う種目です。
スキー板の長さは、男子:210cm以上、女子:205cm以上と規定されています。

◆大回転(GS:Giant Slalom)

大回転は技術系の種目に分類され、大中小のターンを行う技術的な要素を試される種目です。
標高差は、男子:300m~450m、女子:300m~400m、平均傾斜10度~20度に設定される。
コース上に設置された旗門(幅4~8m)を左右交互に通過しながら滑走してゴールを目指します。
旗門の数は標高差の11~15%、距離は10m以上の間隔で設置され、ターンのテクニックが要求されます。
競技は2本の合計タイムを競う種目です。
2本目は1本目の上位30名の順位の降順(30位が最初→1位が最後)、30位以降は順位の昇順で競技の順番が決まります。
スキー板の長さは、男子:195cm以上、女子:188cm以上と規定されています。

◆回転(SL:Slalom)

回転は代表的な技術系種目で、急勾配のコースに連続して配置された旗門に対応する正確で迅速なターン技術が要求される種目です。
標高差は、男子:180m~220m、女子:130m~180m、平均傾斜33~45度と短く急勾配のコースとなります。
旗門の数は、標高差の30~35%±3の範囲で設置されます。
旗門の幅は4~6m、連続する旗門のターニングポールの距離は6~13mと規定されています。
旗門の種類はオープン(平行)、クローズ(垂直)以外に以下の設置基準があります。
・3~4旗門が連続するヘアピンコンビネーション(旗門間0.75~1m)が1~3か所
・ディレイドゲート(旗門間12~18m)1~3か所
・垂直旗門(クローズゲート)が連続するダブルクローズが最低箇所
競技は2本の合計タイムを競う種目です。
2本目は1本目の上位30名の順位の降順(30位が最初→1位が最後)、30位以降は順位の昇順で競技の順番が決まります。
スキー板の長さは、男子:165cm以上、女子:155cm以上と規定されています。
また滑降と同様、複合の種目のひとつにも採用されています。

◆複合(Alpine Comvined)

競技は1回目に滑降1本、2回目に回転2本の順に行われ、合算した成績で順位が決められます。
スピード種目とテクニカル種目の組み合わせで、どちらも熟せるオールラウンダーの種目となります。

 

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