FISワールドカップ・アルペンスキー大会2023-2024オーストリアのゼルデンで10月28日(土)開幕

スキージャンプ2021/天才ジャンパー高梨沙羅の復活劇

スキージャンプ2021/天才ジャンパー高梨沙羅の復活劇

高梨沙羅、今期総合優勝のチャンス到来
夏季ワールドカップ・スキージャンプでは連勝を続けている高梨ですが、冬季大会ではここ数年総合優勝から遠ざかってきた。
2020年はコロナの影響で夏季大会が中止され高梨の活躍の場がなくなったが、2021年冬季大会では数年ぶりに高梨の復活劇がみられそうだ。
今期4開催目のヒンツェンバッハ大会では、札幌の代替え戦を含めて3戦が実施され、予選3戦と決勝3戦で全て1位となる大活躍となった。
1戦目の決勝では1位となったが、スーツ違反のペナルティーで失格となってしまった。
この失格がなければ、高梨が総合ランクで1位に躍り出るはずであった。
しかし、その後の2連勝で順位は3位のままではあるが、1位のクラマー・マリタ、2位のクリズナー・ニカとのポイント差が一機に縮まり、トップ3選手がほぼ並ぶかたちとなっている。
しかも高梨は、数年ぶりに勢いが戻っており復調気配濃厚だ。

●高梨沙羅、ヒンツェンバッハで2連勝

●高梨沙羅、ルシュノブ(ルーマニア)2/19優勝
ルシュノブ(ルーマニア)大会1日目2位から1日目に臨んだ高梨沙羅は、1本目1位で折り返すものの上位が僅差でひしめく激戦となっている。
注目される高梨の2本目は、プレッシャーのかかるなか圧巻のジャンプを披露、ひとり異次元の強さでシーズン3勝目を飾った。
総合ランクは1位のクラマー・マリタが世界選手権を前に2戦欠場となったため、1位にクリズナー・ニカと2位に高梨が抜け出したかたちで、クラマー・マリタは4位に後退した。
高梨には4年ぶりの総合優勝のチャンスが巡ってきた。

■シーズン総合ランキング

女子総合ランキング2020/2021(2/20)
選手 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Point
1 KRIZNAR Nika スロベニア 2 10 5 6 1 2 2 1 3 611
2 高梨沙羅 日本 3 4 7 2   1 1 2 1 606
3 OPSETH Silje ノルウェー 9 15 2 3 8 3 3 3 2 477
4 KRAMER Marita オーストリア 1 3 1 1 4   4     460
5 KLINEC Ema スロベニア   2 3 5 2 10 13 5 4 406

■天才ジャンパー高梨沙羅の戦歴

天才ジャンパー高梨沙羅の戦歴
シーズン 年齢 主要成績 
2010/2011 14 2月コンチネンタルカップ優勝(国際スキー連盟公認大会女子史上最年少優勝)
2011/2012 15 ワールドカップ総合3位
3月3日ワールドカップ11戦蔵王大会優勝(日本人女子初優勝)
2012/2013 16 ワールドカップ総合優勝(日本選手初、史上最年少記録)
世界選手権個人2位、混合団体優勝
2013/2014 17

ワールドカップ総合優勝(18戦15勝、通算24勝)
日本人最多勝利記録
女子歴代最多勝利記録
ワールドカップ史上初7連勝達成
ソチ冬季オリンピック4位

2014/2015 18 ワールドカップ総合2位(6勝、通算30勝)
世界選手権個人4位
2015/2016 19 ワールドカップ総合優勝(17戦14勝、通算44勝)
ワールドカップ10連勝記録達成
サマージャンプグランプリ5戦5勝(4度目の総合優勝)
2016/2017 20 ワールドカップ総合優勝
サマージャンプグランプリ5連覇(3戦3勝)
2017/2018 21 ワールドカップ総合3位
サマージャンプグランプリ6連覇(6戦5勝)
平昌冬季オリンピック3位
2018/2019 22 2月10日リュブノ大会優勝(通算56勝)
ワールドカップ総合4位
サマージャンプグランプリ7連覇(5戦4勝)
2019/2020 23 3月8日リレハンメル大会優勝(女子初のワールドカップ100回表彰台)
ワールドカップ総合4位
2020/2021 24 ワールドカップ第6戦ヒンツェンバッハで今シーズン初優勝、第7戦を優勝して
3シーズンぶりの連続優勝(通算59勝)女子初の10シーズン連続優勝記録達成

■失格の原因

高梨が失格となった原因はスーツ規定違反、スーツ規定違反は珍しいことではありません。
体とスーツの間全ての部分で2cm~4cmの許容範囲が設定され、シーズン始めに計測した数値が提出されますが、シーズン中の体重変化などによって許容範囲に収まらないケースが起きるようです。
今回失格となった原因は太ももの部分が規定違反となったとのことです。
試合直前に計測して対応すれば防げると思いますが、選手の状態管理が不十分だったということになりそうです。
スキージャンプでは、空気抵抗を大きくすることで浮遊する力が増して飛距離アップに繋がるため、スーツをぎりぎりの大きさにする傾向があります。
そのため僅かな体重の変化で規定違反となるケースが多いようです。
1位での失格は何とも残念としか言いようがありません。

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