中国湖北省・世界最大の三峡ダムが記録的な豪雨で決壊の恐れ

中国湖北省・世界最大の三峡ダムが記録的な豪雨で決壊の恐れ

2019年末、湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは、2020年3月に入ると世界中に感染が拡大し、6月末には感染者が1千万人以上、死亡者が50万人以上に達しています。
世界中に大被害を及ぼしているコロナ感染の収束が見えない中、さらに湖北省では新たな難題が発生しています。

■三峡ダム決壊の恐れ

このところ頻繁に話題にされている三峡ダム決壊の噂です。
三峡ダムは、2009年に完成した長江中流域の湖北省宜昌市三斗坪にある世界最大の水力発電ダムです。
ダムの貯水湖は長さは570km、総貯水容量393億㎥、年間発生電力量は1,000億kWhで中国の年間消費電力量の2%を賄っています。
長江は西はチベットから東は上海まで、中国を西から東へ6300kmの距離を横断する世界で3番目に長い河川です。
三峡ダムの上流域重慶では、6月上旬から記録的な豪雨の影響で多数のダムが決壊して三峡ダムに流れ込み、ダムの水位が危険水位を超えています。
三峡ダムの高さは185m、水位の上限は175mと言われていて、6月20には147mまで水位が上昇しています。
数字上はまだ余裕がありそうですが、145mを超えた状態で豪雨となれば、さらに上流から大量の水が流れ込み急速に水嵩が増すことになります。
貯水湖の長さは570kmに及び、水位が1m上昇すればダムにかかる水圧も相当なものになり、175mまで安全ということにはならない可能性があります。
三峡ダムが決壊することになれば、湖北省から上海に至る下流域の大部分の都市が水没し、長江流域に住む6億人の住民に多大な被害を及ぼすことは避けられません。
この地域に存在する9機の原子力発電装置に被害が起これば、過去最大の原発事故となる可能性が高くなるでしょう。
長江に大量の放射能が流出すれば、長江は死の河となってしまい、長江流域の6億人は助かったとしても生活の場所を失うことになります。
現在ダムの水位を調節するため放水を始めていますが、その影響で下流域に被害が拡大、多数の住民が避難を余儀なくされています。
三峡ダムが決壊しなくても広範囲の地域に大きな水害を及ぼしているのが現状です。

■漓江でも洪水被害

中国南部に位置する広西省桂林市、広西チワン族自治区の東北部を流れる漓江では、6月7日に上流の豪雨の影響で洪水被害が発生しています。
漓江の水位は、警戒水位を1.04mを超える146.74mに達している。

7月1日重慶、土石流が塀を押し流す瞬間

■被害状況

6月末には三峡ダム上流地域では重慶市、下流地域では貴州省、湖南省、江西省、広東省、漓江流域では広西省など広範囲の地域に被害が及んでいます。
重慶ではダムが決壊して土砂が住居に流れ込み72万9000人が緊急避難、四川省、チベット自治州では13箇所で土石流が発生。
広西壮(チワン)族自治区、貴州省、広東省、湖南省、江西省、重慶市など26省で水害被災者が1216万人、死者、行方不明が78人、72万9000人が緊急避難、
21万3000人が緊急生活支援を必要としている状況です。
倒壊した家屋は約9300棟、損壊が17万1000棟、被害を受けた農作物の面積は861千ヘクタール、直接的な経済損失は257億元(1元は約15.07円)に達しています。
このところ中国各地で異常現象が多発、貴州省畢節市(ひっせつし)では地震による大きな揺れが2度起こり、その前に大きな音が続いたことを住民が聞いていますが、原因は不明とのこと。
インフレが加速してウイルスの影響で失業者が溢れかえるなかで、豪雨の影響で農作物への被害も大きく、今後は深刻な食料危機を迎えることが危惧されます。
次々と中国を襲う大問題、もはや人の力ではどうすることもできないのかも知れません。

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