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オバマゲート疑惑/ロシア疑惑のマイケルフリンはトランプの救世主

オバマゲート疑惑/ロシア疑惑のマイケルフリンはトランプの救世主

オバマゲートとは、トランプ大統領のツウィートから出た言葉で、ニクソン大統領時代に起こったウォータゲート事件の現代版政治スキャンダルである。
オバマ前大統領の任期終了間際から現在に至るまで続いてきた、ロシア疑惑を発端にした米大統領選に関わるトランプ降ろしの政治工作、として全米で大きな話題となっている。
ターゲットにされたのは、トランプ政権の大統領補佐官に就任後、解任に追い込まれたマイケル・フリン。
フリンは元アメリカ陸軍中将、オバマ政権で国防情報局長官を歴任後、16年トランプ大統領候補の軍事顧問、17年トランプ政権の国家安全保障問題担当補佐官に就任、17年2月13日にロシア疑惑に関わったとされて解任された。
補佐官辞任後からロシア疑惑の容疑で起訴され3年以上の法廷闘争を続け、自宅を売却して5億円にのぼる弁護士費用を捻出して破産、苦難の末2020年5月に司法省が起訴を取り下げた。
フリンの起訴取り下げに替わって、オバマ前大統領への疑惑が浮上、ロシア疑惑からオバマ疑惑へと転嫁、2020年の大統領選挙を巻き込んだ政治スキャンダルが繰り広げられていく。
コロナ被害の影響で大恐慌以来の経済減速が予想され、トランプ再選が危ぶまれているが、フリンはトランプにとって救世主となるかも知れない。

■事の発端はトランプの大統領就任

2016年11月の米大統領選挙は、大方の人がヒラリー・クリントン大統領の誕生を予想していたが、予想に反してドナルド・トランプの次期大統領への領就任が決定した。
トランプ大統領就任に危機感を持ったのが、民主党体制の維持を計るオバマ現大統領であった、というのが事の始まりである。

●2016年

10月、アメリカ国土安全保障省&国家情報長官官房は、大統領選挙においてサイバー攻撃による妨害が行なわれているとの声明を出す。
11月8日、米大統領選の投票が行われ、次期大統領にドナルド・トランプが決定する。
11月10日、オバマ大統領は次期大統領のトランプにマイケル・フリンを起用しないよう警告、フリンの起用はオバマにとって都合の悪いことであった。
オバマ大統領は14年8月7日、オバマ大統領の対外政策に批判的であった国防情報局(DIA)長官のフリンを解任した事実がある。
12月、次期大統領となるトランプの顧問の一人、マイケル・フリンとロシア駐米大使セルゲイ・キスリャクの間でロシア経済制裁の解除について会談。
ロシアは、ウクライナ危機によってオバマ政権から経済制裁を受けていた。
この会談によってフリンはFBIのターゲットとされ、後にローガン法に抵触するとして嫌疑がかけられる。
ローガン法は許可を受けない民間人が外交交渉に介入することを禁じる法律。
ただし、ローガン法は過去に一度も適用されたことのない法律で、個人の自由を侵害する憲法違反の法律であることが後になって発覚する。

●2017年

1月7日、退任直前の大統領執務室会議において、オバマ大統領は、ロシア疑惑への捜査活動を継続するよう指示。
出席者はオバマ大統領、バイデン副大統領、安全保障担当補佐官スーザン・ライス、FBI長官ジェームズ・コビー、イエイツ司法長官代行。
バイデンにとって、この会議に出席したことが、後に命取りになりかねない事態を招く、とは予想できなかったに違いない。
安全保障担当補佐官スーザン・ライスは、1月20日大統領就任式の当日(自身の退官直前)に会議の内容を自分宛にメール
目的は会議の記録の残して自分は何もしていないことを証明するためと思われる。
1月20日、トランプ大統領就任
1月24日、FBI副長官がフリンに面会を装った偽装工作で捜査を実施、あいまいな発言をするフリンに対して、FBIへの虚偽の供述容疑がかけられる。
このFBIの捜査は後に違法捜査であったことが発覚する。
2月13日、国家安全保障問題担当補佐官マイケル・フリンが辞任。
辞任の理由は、ローガン法に抵触する可能性とFBIの捜査に対する虚偽の供述である。
5月9日、トランプ大統領は、ジェームズ・コミーFBI長官を解任。
解任の背景には、「FBI長官がロシアの選挙介入とトランプ氏の選挙活動との共謀の可能性に関して捜査していたことにある」との報道があった。
5月17日、2016年米大統領選へのロシア介入疑惑に関する捜査のため、ロバート・モラー(第6代FBI長官)が特別検察官に任命される。
12月1日、モラー特別検察官は、駐米ロシア大使との接触に関してFBIに偽証したとして、フリンを偽証罪で起訴。

●2018年

12月、モラー特別検察官は、フリンの減刑を要求。
フリンが司法取引に応じて、補佐官就任前にロシア駐米大使と経済政策解除について会談した事実を認めたことなどが理由とされる。

●2019年

2月14日、司法省司法長官にウィリアム・バーが就任。
5月29日、現職大統領は訴追できないとしてロシア疑惑への捜査を終了、モラーは特別捜査官の職を辞任した。

●2020年

4月29日、フリンの弁護士シドニー・パウエルは、FBIが「意図的な攻撃を事前に計画していた」ことを明らかにした。
5月7日、2020年に入って司法省ウィリアム・バー長官は、担当者を変更して再調査を指示、この再調査の結果、FBIのフリンの捜査は合法的ではなかったとして、司法省は、フリンの起訴を取り下げた。
5月9日、フリンが不起訴となったことにオバマは緊急ネット会議を招集。
この会議の音声をYahooNewsが入手してネットに公開、オバマの口調からは明らかに動揺を隠せない様子であったという。
5月11日、事態はロシア疑惑からオバマ疑惑へ急展開とFoxNewsが報じた。
ここから事態は180度転換して、FBIに対する違法捜査が追及され、さらにFBIに指示を出したオバマに捜査が及ぶ可能性も出てきた。
ここまでバイデン優勢で大統領選挙を進めてきた民主党は、8月の党大会に向けて難しい舵取りが予想され、バイデンが大統領指名候補から外される可能性も考えられる。
トランプはフリンの政権への復帰を検討することを誓ったという。
苦境に立たされた3年を超えるFBIとの闘いの末、勝利したフリンはトランプの救世主と言っても過言ではないだろう。
まさに映画のラストシーンのようなどんでん返しが待っていた瞬間だが、ここで終わったわけではない。

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