米国中間選挙2022州知事選挙の状況／今年は全米36州で改選が実施

今年の中間選挙では36州で州知事選挙が展開され、現在の州知事は共和党が28州、民主党が22州を占めている。
2020年の大統領選挙では、バイデンが勝利したが1年以上が経過した4月現在、バイデンの支持率は低迷している。
バイデン政権の度重なる失政によって、中間選挙では民主党の劣勢が鮮明となり苦戦が強いられるとの見方が大勢を占めている。
そのような中で5月からは本格的に予備選挙が開始される。

■州知事選挙で予想される注目州の状況

◆アリゾナ州（AZ）

現職ダグ・デューシー州知事（共和党）は多選制限によって再立候補の資格がなくなる。
アリゾナ州は共和党の地盤と見られていたが、2020年の大統領選挙ではトランプ氏が敗北、選挙違反疑惑が取りざたされた激戦州のひとつ。
民主党候補者は、カティ・ホッブス氏（州務長官）、共和党候補者は、トランプ氏が支持するカリ・レーク氏（元テレビ・キャスター）となっている。
10月12日のフィフティサーティエイトの世論調査では、民主党のホッブス氏が46.3%、共和党のレーク氏が47.2%と激戦が展開されており、中間層の支持が勝敗を決めることになる。

◆ネバダ州（NV）

民主党は現職スティーブ・シソラック知事、共和党はMAGAのジョー・ロンバルド氏、10月12日の世論調査ではロンバルド氏が44.5%、シソラック氏が43.6%の僅差となっている。

◆ウィスコンシン州（WI）

共和党はティム・ミッシェルズ、民主党は現職のトニー・エバース、世論調査の結果はエバース47%、ミッシェルズ46%と拮抗している。

◆オレゴン州（OR）

民主党の現職ケット・ブラウンは任期満了となり、民主党の公認候補はティナ・コティック、共和党はクリスティン・ドラザン、無党派のベッツイー・ジョンソンの三人の候補者が州知事選を争っている。
オレゴン州では共和党の州知事就任は過去に前例がないが、2022年の中間選挙では優位にたっており、初の共和党政権誕生となるか注目される。

◆フロリダ州（FR）

フロリダ州では、共和党現職のロン・デサンティス知事が2021年11月に再立候補を発表した。
デサンティスは次期大統領候補にも名前があがり、優位はゆるぎないと思われる。

◆ペンシルバニア州（PA）

5/17ペンシルバニア州知事予備選は、共和党：ダグラス・マストリアーノ、民主党：ジョシュ・シャピロで確定。

◆テキサス州（TX）

共和党予備選では、現職で3期目を目指すグレッグ・アボット知事、民主党では元連邦下院議員のベト・オルーク氏が当選確実となった。
1月以降の各社世論調査をみると、アボット知事がオルーク氏を5～10ポイント差でリード。

◆バージニア州（VA）

中間選挙の前哨戦となったのが2021年11月のバージニア州の知事選挙だ。
この選挙では、当初有利とみられた民主党候補のテリー・マコーリフ氏が、共和党候補グレン・ヤンキン氏に敗れた。

◆ニュージャージー州（NJ）

ニュージャージー州知事選挙では、現職のフィル・マーフィー知事（民主党）が僅差で勝利した。

◆ニューヨーク州（NY）

ニューヨーク州は典型的な民主党の牙城であるが、2022年の州知事選は予想に反して共和党候補の健闘が注目される。
ニューヨークは民主党の政策によって治安が悪化、人々は安全のため地下鉄を避けてバスを利用しており、犯罪激増を問題視しないホークルに非難が集まっているのが共和党台頭の理由だ。
民主党は、アンドリュー・クオモ州知事が辞任、後任に就任した副知事のキャシー・ホークル氏が、現職からの再選を目指しており、共和党候補はリー・ゼルディン氏（連邦下院議員）。
世論調査によると10月30日に民主党のホークルが共和党のゼルディンに6.9ポイントのリード、まだ差があるようだが少しずつ差を縮めてきているので、11月8日の中間選挙当日まで結果はわからない状況にある。
トラファルガーの世論調査ではイーブンとなっている。
フロリダ州知事デサンテス、バージニア州知事ヤンキンなど他州の州知事が応援に駆け付け全力でバックアップしており、逆転劇の可能性に注目が集まっている。

■中間選挙の状況

■予備選の状況

■中間選挙前の州知事

以下は2022年中間選挙前の米国州知事の一覧を掲載しています。
退任日については、アラスカ州、ハワイ州、ケンタッキー州が12月、他は1月、2022年の選挙では退任日の記載が2022と2023が改選の対象となります。