2010年以降ここ10年間でネット銀行の利用者が急速に伸びてきました。
口座開設数、預金保有残高の伸びも右肩あがりの伸びで、口座開設数は5倍近い成長を示しています。
保有する口座数では断トツの楽天銀行が1,100万口座を超えて、日本国内居住者の11人に1人が楽天銀行を利用していることになります。
ネット銀行は、実店舗や専用のATMを開設していない、ネット上のみでサービスを展開しているのが特徴。
そのため設備投資や運営に掛かるコストを抑えて、資金をサービスの拡充に向けられるため、顧客の利用が増加する要因となっている。
実際、大手銀行や地方銀行のサービスは低下する一方で銀行間の統合が目立っている。
特に長時間待たされる窓口業務は、非効率極まりないし、何をするにも手数料を徴収する傾向が強くなってしまった。
■ネット銀行業務実績
ネット銀行業務実績 | ||
銀行名/項目 | 内容 | 備考 |
楽天銀行 | ||
経常収益 | 76,160(百万円)2021年3月期 | |
経常利益 | 20,719(百万円) | |
口座数 | 1138万件(2021年9月末) | |
預金残高 | 6兆4,993億円 | |
筆頭株主 | 楽天カード | |
提携証券 | 楽天証券 | |
提携ATM | 三菱UFJ銀行、みずほ銀行、郵貯銀行、セブン銀行、ローソン、イオン銀行、E-Net、他 | |
住信SBIネット銀行 | ||
経常収益 | 78,754(百万円)2021年3月期 | |
経常利益 | 20,726(百万円) | |
口座数 | 470万(2021年6月末) | |
預金残高 | 6兆4,479億円 | |
筆頭株主 | 住友信託銀行 | |
提携証券 | SBI証券 | |
提携ATM | 郵貯銀行、セブン銀行、ローソン、イオン銀行、E-Net、他 | |
ソニー銀行 | ||
経常収益 | 52,762(百万円)2021年3月期 | |
経常利益 | 11,341(百万円) | |
口座数 | 158万(2021年3月末) | |
預金残高 | 2兆8,393億円 | |
筆頭株主 | ソニーフィナンシャルHD | |
提携証券 | マネックス証券 | |
提携ATM | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、郵貯銀行、セブン銀行、ローソン、イオン銀行、E-Net、他 | |
PayPay銀行 | ||
経常収益 | 38,183(百万円)2021年3月期 | |
経常利益 | 4,434(百万円) | |
口座数 | 512万(2021年3月末) | |
預金残高 | 1兆2,168億円 | |
筆頭株主 | 三井純友銀行 | |
提携証券 | ||
提携ATM | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、郵貯銀行、セブン銀行、ローソン、イオン銀行、E-Net、他 | |
auじぶん銀行 | ||
経常収益 | 36,011(百万円)2021年3月期 | |
経常利益 | 3,724(百万円) | |
口座数 | 400万(2021年8月末) | |
預金残高 | 2兆457億円 | |
筆頭株主 | auフィナンシャルHD | |
提携証券 | auカブコム証券 | |
提携ATM | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、郵貯銀行、セブン銀行、ローソン、イオン銀行、E-Net、他 | |
大和ネクスト銀行 | ||
経常収益 | 35,213(百万円)2021年3月期 | |
経常利益 | 3,603(百万円) | |
口座数 | 154万(2021年9月末) | |
預金残高 | 4兆2,987億円 | |
筆頭株主 | 大和証券グループ | |
提携証券 | 大和証券 | |
提携ATM | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、郵貯銀行、セブン銀行、ローソン、イオン銀行、E-Net、他 |
経常収益や経常利益では、楽天銀行と住信SBIネット銀行が抜けた存在です。
口座数でも楽天銀行は断トツに多く他を圧倒していますが、グループ内の楽天市場の顧客に利用されているためで、楽天市場の決済にも利用されているのが理由です。
楽天市場の目玉はポイント還元のありますが、楽天銀行もキャンペーン戦略に力を注いでいます。
預金金利も高めに設定されていますが、物価上昇や消費増税を吸収できる水準にはほど遠く、金額に換算してもあまりメリットがあるとは思いません。
住信SBIネット銀行は、口座数では楽天の半分程度ですが、預金の保有残高や業績では楽天と並んでいます。
1口座数当たりでは、楽天の2倍の業績をあげていて、それだけ大口顧客が多いことになります。
提供するサービスでは振込手数料、ATMの利用、為替手数料の優遇措置が顧客から評価されているように思います。
提供するサービスの比較は別のページで掲載する予定ですので、併せて読んで頂ければ幸いです。
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