インディカー2021シーズン最大のビッグイベント、第105回インディ500の開催が1か月後の5月30日に迫ってきた。
ちなみに第1回インディ500は、1911年5月30日に開催され、レイ・ハルーンが優勝している。
インディ500が開催されるインディアナポリスはインディアナ州の州都で、大都市のシカゴやマサチューセッツなどに近い中西部に位置する都市である。
かつてはデトロイトに並ぶ自動車産業の栄えた都市であるが、20世紀後半からは衰退が始まっていった。
海に面した西海岸や東海岸には日本でもなじみのある都市が多い反面、内陸部の都市は名前くらいしか知られていないが、インディアナポリスは米国最大の自動車レースが開催される場所として知られている。
今年のインディ500は、昨年優勝の佐藤琢磨をはじめとして、歴代の優勝者が顔をそろえる豪華な顔ぶれとなりそうだ。
優勝回数ではエリオ・カストロネペスの3勝を筆頭に、佐藤琢磨、ファン・パブロ・モントーヤの2勝、他に6名の優勝者が参戦を予定している。
シーズン序盤戦では、アレックス・パロウ、コルトン・ハータ、パトリシオ・オワードの若手の台頭が目立つ結果となり、ジョセフ・ニューガーデン、スコット・ディクソンなど主力選手との激戦が予想される。
若手に押され気味の琢磨やレイホールの巻き返しも期待される。
例年、インディ500はまったく予想ができないレースとなるが、若手の台頭が著しい今年はさらに難解なレースとなる。
■第105回インディ500
◆概要
●コース
インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(インディアナ州)オーバルコース
インディ500の開催されるインディアナポリス・モータ・スピードウェイ(Indianapolis Motor Speedway)は、4万人の収容人数を誇る世界最大規模のサーキット。
1周2.5mile(約4km)を10周半でフルマラソンとほぼ同じ距離となり、インディ500では500mile(800km)の距離を時速350kmのスピードで200周を回ることになる。
最高時速は380km/hに達する周回カテゴリーのレースでは最速のレースで、モータースポーツのレースとしては最も人が集まる人気のレースである。
収容人数4万人の大きなサーキットではあるが、コロナの影響で大幅に入場制限が行われるが、予定では去年のように無観客とはならない。
通常のレースとは異なりダブルポイント(2倍のポイント)が付与されるので、総合優勝を争う選手にとっても重要なレースで優勝すれば金額に換算できない名誉を得ることになる。
◆開催日程
第105回インディ500日程 | ||
日程 | 現地時間(日本時間)時差13時間 | イベント |
5/18(火) | 10:00~18:00(23:00~翌7:00) | Practice |
5/19(水) | 10:00~18:00(23:00~翌7:00) | Practice |
5/20(木) | 11:00~18:00(24:00~翌7:00) | Practice |
5/21(金) | 11:00~18:00(24:00~翌7:00) | Practice |
5/23(日) | 08:00~18:00(21:00~翌7:00) | Practice & Qualifying |
5/30(日) | 12:45~16:00(翌1:45~翌5:00) | Final |
◆予想
●有力候補
①スコット・ディクソン
2020年総合優勝、今期総合1位(現時点)、過去インディ500で1勝、昨年は琢磨との優勝争いを演じ、抜群の安定感で優勝候補筆頭。
②ジョセフ・ニューガーデン
2019年総合優勝、2020年準優勝、今期2位2回総合4位、インディ500ではまだ優勝はないが安定感ではディクソンと双璧の存在。
③パトリシオ・オワード
2020年インディカーデビューで未勝利ながら総合4位と大健闘、2年目の今期第4戦テキサスで初勝利をあげ、総合でも2位と最も勢いのある若手選手、安定感もあり主力選手にも見劣らない存在。
インディ500と同じ距離の長いオーバルコースでの勝利も評価を上げる要因となる。
④アレックス・パロウ
オワードと同様昨年デビュー組、2020年は総合16位とまずまずの結果を残している。
安定課ではオワードに譲るとしても、2年目となる今期初戦のアラバマでいきなりの優勝、総合でも3位と好位置にいる。
⑤コルトン・ハータ
インディカーデビュー2年目の2020年は、1勝をあげ総合3位と安定感のある実績を残しアンドレッティではナンバー1の選手に成長してきた。
優勝する実力もあるが凡走の可能性もあり、主力選手との比較では、まだ一歩ゆずる存在。
⑥佐藤琢磨
2020年にはインディ500で2度目の優勝を達成する快挙を演じている。
今期第4戦テキサスでは、距離の長いオーバルで琢磨の健闘を期待したが、不発に終わっている。
今期総合でも11位と安定感では主力選手に及ばないが、ここ4年で2度優勝のインディ500に限っては琢磨を軽視することはできず、主力選手との比較でも互角以上の存在だ。
まとめ
今年はオワードを始めとする若手選手の台頭が目立っており怖い存在となる。
ディクソンやニューガーデンの主力選手に琢磨など数名の既存勢力との激戦となりそうだ。
実力だけで優勝を手にするのは難しく、最後は運が誰に味方するかが勝敗の分かれ目となる。
まとも過ぎる予想だが、35台前後のマシンが争うレースで何が起きるか予想もできず勝機は紙一重、何度か起きるであろうイエロー、ピットへの入出が勝敗の分かれ目となる。
主力選手にアクシデントがあれば誰が勝ってもおかしくない。
■プラクティス結果
今週は5月18日から4日連続でプラクティス走行が行われ、23日に最終プラクティスと予選になります。
初日の18日は、まだ始まったばかりですが琢磨が3位と、これまで5戦と比べると順調な仕上がりのようです。
●プラクティス3日目
プラクティス開始1ラップ目、レイホール・レターマンの琢磨、レイホール、フェルッチの3台が撮影のため横一列で低速走行、そのため後方のシルベストロとマクラフリンが減速、そこへ後方からハータが拘束で突っ込んできたため大事故となる危険な状況となった。
ハータはマクラフリンと外壁の僅かな隙間をすり抜けたため、大事故は回避された。
その後リプレイを見たハータは、、時速200マイルを超えて走行するなかを時速100マイルで横並び走行した行為に対し、レイホールの3台とチームを激しく非難した。
これに対してインディカーは、レイホール3台に対して、4日目のプラクティス開始から30分間の出場停止処分を下した。
事故が起こっていれば大惨事となっていたことを思えば、もっと重いペナルティーを科されても仕方がない。
レイホールからの謝罪については触れられていない。
●プラクティス4日目
3日目にペナルティを科せられたにも関わらず、レイホール2位、琢磨5位、フェルッチ9位とレイホールの3名は10位以内に顔をそろえる好調ぶりが目に付く。
●決勝
1:50スタート、首位はビーケイ、ハータ、ディクソン、カーペンター、カナーンの順、琢磨14番
残り50周目あたりで琢磨の4度目のピットイン、その後ずるずると後退何が起きたのかわからなかったが、最後のビットをスキップして4ストップ作戦に出るため、省エネ走行へ切り替えた。
順位を18位まで落としたあたりで各車ピットインとなり、ここから琢磨が順位を上げていった。
残り10周を切ったあたりで琢磨が首位に立ち、このまま逃げ切り濃厚と確信したところで燃料切れ、あり得ない結末となった。
最後はカストロネベスとパロウの一騎打ちとなり、カストロネベスが制して優勝、2位パロウ、3位パジェノー
カストロネベスは4度目の優勝で最多優勝タイ記録を達成している。
◆結果速報/予選&決勝
第105回インディ500予選&決勝 ※予選1回目 | ||||
Car | Driver | Team | 予選 | 決勝 |
06 | エリオ・カストロネベス | Meyer Shank Racing | 8 | 1 |
10 | アレックス・パロウ | Chip Ganassi Racing | 6 | 2 |
22 | シモン パジェノー | Team Penske | 26 | 3 |
5 | パトリシオ・オワード | Arrow Mclaren SP | 12 | 4 |
20 | エド・カーペンター | Ed Carpenter Racing | 4 | 5 |
45 | サンティノ・フェルッチ | Rahal Letterman | 23 | 6 |
24 | セージ・カラム | Dreyer & Rainbold | 31 | 7 |
21 | リーナス・ヴィーケイ | Ed Carpenter Racing | 3 | 8 |
86 | ファン・パブロ・モントーヤ | Arrow Mclaren SP | 24 | 9 |
48 | トニー・カナーン | Chip Ganassi Racing | 5 | 10 |
8 | マーカス・エリクソン | Chip Ganassi Racing | 9 | 11 |
2 | ジョセフ・ニューガーデン | Team Penske | 21 | 12 |
47 | コナー・デイリー | Ed Carpenter Racing | 19 | 13 |
30 | 佐藤琢磨 | Rahal Letterman | 15 | 14 |
1 | J.R.ヒルブランド | A.J Foyt Enterprises | 22 | 15 |
26 | コルトン・ハータ | Andretti Aoutsports | 2 | 16 |
9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | 1 | 17 |
60 | ジャック・ハーヴェイ | Meyer Shank Racing | 20 | 18 |
98 | マルコ・アンドレッティ | Andretti Aoutsports | 25 | 19 |
3 | スコット・マクラフリン | Team Penske | 17 | 20 |
29 | ジェームズ・ヒンチクルフ | Andretti Steinbrenner | 16 | 21 |
28 | ライアン・ハンターレイ | Andretti Aoutsports | 7 | 22 |
4 | ダルトン・ケレット | A.J Foyt Enterprises | 30 | 23 |
59 | マックス・チルトン | Carlin | 29 | 24 |
51 | P.フィッツバルディ | Dail Coin Racing | 13 | 25 |
14 | セバスチャン・ブルデー | A.J Foyt Enterprises | 27 | 26 |
7 | F.ローゼンクヴィスト | Arrow Mclaren SP | 14 | 27 |
18 | エド・ジョーンズ | Dale Coyne Racing | 11 | 28 |
27 | アレクサンダー・ロッシ | Andretti Aoutsports | 10 | 29 |
12 | ウィル・パワー | Team Penske | 32 | 30 |
16 | シモーネ・デ・シルベストロ | Paretta Autosport | 33 | 31 |
15 | グラハム・レイホール | Rahal Letterman | 18 | 32 |
25 | S.ウィルソン | Andretti Aoutsports | 28 | 33 |
◆結果速報/プラクティス
第105回インディ500(Practice結果)以下34選手がほぼ確定、3選手参加予定 | ||||||||
Car | Driver | Team | 過去 | 総合 | P1 | P2 | P3 | P4 |
27 | アレクサンダー・ロッシ | Andretti Aoutsports | 1勝 | 14 | 23 | 12 | 21 | 1 |
15 | グラハム・レイホール | Rahal Letterman | 5 | 19 | 14 | 26 | 2 | |
5 | パトリシオ・オワード | Arrow Mclaren SP | 2 | 7 | 7 | 14 | 3 | |
9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | 1勝 | 1 | 8 | 1 | 5 | 4 |
30 | 佐藤琢磨 | Rahal Letterman | 2勝 | 10 | 3 | 20 | 9 | 5 |
26 | コルトン・ハータ | Andretti Aoutsports | 7 | 21 | 18 | 10 | 6 | |
8 | マーカス・エリクソン | Chip Ganassi Racing | 12 | 10 | 4 | 8 | 7 | |
10 | アレックス・パロウ | Chip Ganassi Racing | 3 | 24 | 8 | 11 | 8 | |
45 | サンティノ・フェルッチ | Rahal Letterman | 29 | 34 | 3 | 9 | ||
20 | エド・カーペンター | Ed Carpenter Racing | 24 | 18 | 3 | 20 | 10 | |
60 | ジャック・ハーヴェイ | Meyer Shank Racing | 10 | 30 | 19 | 17 | 11 | |
48 | トニー・カナーン | Chip Ganassi Racing | 1勝 | 23 | 11 | 5 | 1 | 12 |
51 | P.フィッツバルディ | Dail Coin Racing | 32 | 29 | 27 | 13 | ||
21 | リーナス・ヴィーケイ | Ed Carpenter Racing | 11 | 15 | 11 | 6 | 14 | |
25 | S.ウィルソン | Andretti Aoutsports | 34 | 27 | 25 | 15 | ||
06 | エリオ・カストロネベス | Meyer Shank Racing | 3勝 | 22 | 13 | 7 | 16 | |
2 | ジョセフ・ニューガーデン | Team Penske | 4 | 14 | 30 | 4 | 17 | |
47 | コナー・デイリー | Ed Carpenter Racing | 20 | 5 | 2 | 2 | 18 | |
4 | ダルトン・ケレット | A.J Foyt Enterprises | 21 | 27 | 31 | 24 | 19 | |
3 | スコット・マクラフリン | Team Penske | 8 | 25 | 17 | 13 | 20 | |
86 | ファン・パブロ・モントーヤ | Arrow Mclaren SP | 2勝 | 12 | 23 | 22 | 21 | |
28 | ライアン・ハンターレイ | Andretti Aoutsports | 1勝 | 17 | 2 | 16 | 12 | 22 |
98 | マルコ・アンドレッティ | Andretti Aoutsports | 20 | 10 | 18 | 23 | ||
1 | J.R.ヒルブランド | A.J Foyt Enterprises | 28 | 25 | 30 | 24 | ||
18 | エド・ジョーンズ | Dale Coyne Racing | 18 | 9 | 21 | 19 | 25 | |
22 | シモン パジェノー | Team Penske | 1勝 | 6 | 6 | 28 | 23 | 26 |
7 | F.ローゼンクヴィスト | Arrow Mclaren SP | 16 | 17 | 22 | 16 | 27 | |
29 | ジェームズ・ヒンチクルフ | Andretti Steinbrenner | 19 | 16 | 32 | 32 | 28 | |
24 | セージ・カラム | Dreyer & Rainbold | 4 | 9 | 28 | 29 | ||
16 | シモーネ・デ・シルベストロ | Paretta Autosport | 13 | 24 | 31 | 30 | ||
14 | セバスチャン・ブルデー | A.J Foyt Enterprises | 14 | 33 | 6 | 34 | 31 | |
12 | ウィル・パワー | Team Penske | 1勝 | 8 | 1 | 15 | 15 | 32 |
59 | マックス・チルトン | Carlin | 27 | 31 | 26 | 33 | 33 | |
11 | チャーリー・キンボール | A.J Foyt Enterprises | 26 | 33 | 29 | 34 | ||
35 | RC.エナーソン | 35 | 35 | |||||
51 | ロメイン・グロージャン | Dail Coyne Racing | 22 | |||||
52 | コディ・ウェア | Dale Coyne Racing |
■インディ500オープンテスト
第105回インディ500・オープンテスト(2021.04/08-4/09) | ||||
№ | Car | Driver | Team | Laps |
1 | 2 | ジョセフ・ニューガーデン | Team Penske | 121 |
2 | 30 | 佐藤琢磨 | Rahal Letterman Lanigan | 60 |
3 | 86 | ファン・パブロ・モントーヤ | Arrow Mclaren SP | 68 |
4 | 9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | 126 |
5 | 15 | グラハム・レイホール | Rahal Letterman Lanigan | 157 |
6 | 47 | コナー・デイリー | Ed Carpenter Racing | 137 |
7 | 12 | ウィル・パワー | Team Penske | 162 |
8 | 60 | ジャック・ハーヴェイ | Meyer Shank Racing | 140 |
9 | 5 | パトリシオ・オワード | Arrow Mclaren SP | 156 |
10 | 06 | エリオ・カストロネベス | Meyer Shank Racing | 128 |
11 | 22 | シモン パジェノー | Team Penske | 184 |
12 | 28 | ライアン・ハンターレイ | Andretti Aoutsports | 134 |
13 | 26 | コルトン・ハータ | Andretti Aoutsports | 164 |
14 | 20 | エド・カーペンター | Ed Carpenter Racing | 146 |
15 | 10 | アレックス・パロウ | Chip Ganassi Racing | 112 |
16 | 7 | F.ローゼンクヴィスト | Arrow Mclaren SP | 126 |
17 | 18 | エド・ジョーンズ | Dale Coyne Racing | 104 |
18 | 3 | スコット・マクラフラン | Team Penske | 195 |
19 | 27 | アレクサンダー・ロッシ | Andretti Aoutsports | 136 |
20 | 45 | サンティノ・フェルッチ | Rahal Letterman Lanigan | 137 |
21 | 16 | シモーネ・デ・シルベストロ | Paretta Autosport | 92 |
22 | 29 | ジェームズ・ヒンチクルフ | Andretti Steinbrenner | 127 |
23 | 48 | トニー・カナーン | Chip Ganassi Racing | 99 |
24 | 24 | セージ・カラム | Dreyer & Rainbold | 81 |
25 | 98 | マルコ・アンドレッティ | Andretti Aoutsports | 138 |
26 | 14 | セバスチャン・ブルデー | A.J Foyt Enterprises | |
27 | 59 | マックス・チルトン | Carlin | |
28 | 8 | マーカス・エリクソン | Chip Ganassi Racing | |
29 | ピエトロ・フィッツバルディ | Dale Coyne Racing | ||
30 | 4 | ダルトン・ケレット | A.J Foyt Enterprises | |
31 | 52 | コディ・ウェア | Dale Coyne Racing | |
21 | リーナス・ヴィーケイ | Ed Carpenter Racing | ||
51 | ロメイン・グロージャン | Dail Coyne Racing with RWR | ||
11 | チャーリー・キンボール | A.J Foyt Enterprises | ||
1 | J.R.ヒルブランド | A.J Foyt Enterprises |
4月に行われたインディ500オープンテストでは、シーズン総合優勝選手や歴代のインディ500優勝選手が上位に顔を出す豪華な顔ぶれとなった。
スポット参戦組では、インディ500で2勝のファン・パブロ・モントーヤが3位、最多3勝のエリオ・カストロネペスが10位と上位に顔をだしている。
スポット参戦と言えども軽視できない存在だ。
今期はパトリシオ・オワード、コルトン・ハータ、アレックス・パロウなど有力な若手選手が次々と優勝、4戦の内3戦を制しているのも見逃せない。
●ジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)
ペンスキーに移籍した2017年から頭角を現し、2017年と2019年に個人総合優勝、昨年は2位、ディクソンと並ぶスーパートップドライバーだ。
今シーズンはまだ未勝利だが、悲願のインディ500初制覇に向けて始動。
●佐藤琢磨(レイホール・レターマン)
昨年の2度目のインディ500を制した琢磨は、フル参戦の現役選手のなかでは最多勝利の実績となり、今シーズンも優勝にも一番近いところにいる選手かも知れない。
今回のテスト走行では、十分な周回をこなすには至らなかったのは残念だが、それでも結果は2位のタイムで成果のある内容となった。
本来なら本命に押したいところだが、ニューガーデンやディクソンと比べると、どうしても安定した成績を残せていない分不安が残る。
ことインディ500に限っては、直近の4年間で2度の優勝に1919年の3位を含めて、3回も表彰台にあがる突出した成績を残している。
これが琢磨の最大の強みであることは言うまでもなく、当然大きな期待がかかる選手である。
●ファン・パブロ・モントーヤ(アロウ・マクラーレン)
インディ500優勝2回、2005年イタリアGP予選でF1最速タイムを記録、F1デビューわずか3戦目で王者シューマッハを抜いてあわや優勝かと思われたが、周回遅れの車に追突されリタイア、2002年にはシューマッハに並ぶポール7回とF1での活躍も目立つ存在。
2002年から2006年までの5年間は琢磨とも戦っている。
インディ参戦2年目を迎えるマクラーレン、今シーズンは注目のルーキー、パトリシオ・オワードが初勝利をあげ勢いが出てきたのも追い風となる。
●スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)
個人総合優勝6回、インディ500優勝1回、2位3回と現役ドライバーでは実績№1、昨年も影向優勝、インディ500では過半数の集会で先頭にたち最後は琢磨との一騎打ちとなった。
今シーズンも既に1勝をあげており、インディ2勝目を目指す。
●グラハム・レイホール(レイホール・レターマン)
なかなか優勝に届かないレイホールだが、昨年のインディ500では3位表彰台となり、チームメイトの琢磨と比べても安定した成績を残している。
今回のテスト走行でも5位のタイムを記録して、無冠の選手のなかでは最上位、同一チームから5位までの選手を二人だしているのはレイホールだけとなる。
昨シーズンでも二人そろって総合10位以内にはいり、琢磨の所属チームでもあった3強の一角アンドレッティとそん色のない結果を残しているのは心強い。
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