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植物繊維の働きと摂取基準

植物繊維

植物繊維は炭水化物の多糖類に分類されていますが、体内で消化吸収されないためエネルギー源とはなりません。
エネルギー源にはなりませんが、腸内環境を整える重要な働きがありますので、健康を維持するためには摂取する必要があります。
植物繊維の種類には、水に溶ける水溶性植物繊維と水に溶けない不溶性植物繊維の2種類があります。

水溶性植物繊維

小腸での栄養素の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑え、コレステロールを吸着して体外に排出するため血中コレステロール値を低下させます。
さらにナトリウムを排出して高血圧予防の効果があります。
肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化などの成人病予防効果を発揮します。
野菜、果物、海藻類、納豆、豆類、キノコ類、玄米などの精製していない穀物、コンニャクなどに多く含まれています。

不溶性植物繊維

水分を吸収して体積を増やすことで便秘を改善し、有害物質を吸着して体外へ排出させるため、腸内環境を整えて大腸癌のリスクを低下させる効果があります。
植物の細胞壁を構成するセルロースやヘミセルロース、リグニン、エビやカニの殻に含まれるキチンなどがあります。
さらに水溶性、不溶性いずれの植物繊維もビフィズス菌などの善玉菌のエサになるため、腸内環境改善には欠かせない成分と言えます。

植物繊維の摂取量

平成27年国民栄養健康調査によると成人の平均摂取量が15g、日本人の植物繊維の摂取量は不足傾向にあります。
厚生労働省食事摂取基準における目標値は20gを生活習慣病の予防のためとしています。
さらに摂取エネルギー量1000kcal毎に14gの摂取が推奨されています。
体内に吸収されないため、摂取量の上限は特に定められていません。
食材の見直しをするなど積極的に植物繊維を摂取する対策が必要になります。

脂質の働きと摂取基準

脂質

三大栄養素のなかで最も高いエネルギーを生成する重要なエネルギー源で、炭素、水素、酸素で構成されています。
エネルギー源以外にも、ホルモン、細胞膜、核膜の構成、皮下脂肪として臓器の保護、脂溶性ビタミン(A、E、D、K)の吸収を促進させるなど重要な役割があります。
しかし摂取過剰となると肥満の原因となり、様々な病気を誘発する要因となります。

脂肪酸(脂質の構成成分)の分類

■飽和度による分類

飽和脂肪酸

主に動物性脂肪に多く含まれていますが、ココナッツ、パーム油などの植物脂肪にも多く含まれています。
体内で生成できるもので、炭素結合がなく常温では主に固体の形状となります。
過剰摂取は心血管疾患、糖尿病のリスクが高まり、過小摂取でも脳卒中のリスクが高まります。
摂取量の目安は総エネルギー量の4.5%~7%の範囲とされています。(総エネルギー2000kcalとして90~140kcal:10g~15g)
肉、卵黄、牛乳、バター、チョコレートなどに多く含まれています。

不飽和脂肪酸

主に植物性脂肪に多く含まれていますが、青魚などの動物性脂肪にも多く含まれています。
炭素結合があって常温では主に液体の形状。

一価不飽和脂肪酸

ω9(オメガ9)脂肪酸
体内で生成できるもので、炭素の二重結合が一つあります。

多価不飽和脂肪酸

2種類の脂肪酸(ω3、ω6)に分類され、炭素の二重結合が二つ以上あるもので、体内で生成できないため必須脂肪酸とも言われています。
ω3(オメガ3)脂肪酸
摂取量の目安:3g以上
αリノレン酸、DHA、EPAなどがあります。
摂取量の目安は、αリノレン酸(2g以上)、DHA、EPAの合計(1g以上)
青魚、亜麻仁油などに多く含まれます。
ω6(オメガ6)脂肪酸
摂取量の目標値:10g以上
リノール酸
ごま油、オリーブ油などの植物油に多く含まれます。

■摂取量と摂取割合の目安

①脂肪の摂取量は、1日の総エネルギー量の20%~30%の範囲です。
総エネルギーを2000kcalとすると400kcal~600kcal、脂肪1gは9kcal相当ですから44g~66gとなります。
②飽和脂肪酸は総エネルギー量の4.5%~7%の範囲
総エネルギーを2000kcalとすると90kcal~140kcal、10g~15gとなります。
脂肪の総摂取量(44g~66g)から飽和脂肪酸の摂取量(10g~15g)を引くと、残りは34g~51gです。
不飽和脂肪酸の上限摂取量は特に定められていないため、残りの34g~51gを一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に1:1で割り振った場合
③一価不飽和脂肪酸の摂取量
下限摂取量 = 34g ÷ 2 = 17g(小数点以下切り捨て)
上限摂取量 = 51g ÷ 2 = 25g(小数点以下切り捨て)
一価不飽和脂肪酸の摂取量は17g~25gとなります。
④多価不飽和脂肪酸の摂取量
同様に多価不飽和脂肪酸の摂取量は17g~25gとなります。
ω3とω6の摂取比率は、1:1~1:4の範囲ですが、これを1 : 2とすると
ω3下限摂取量 = 17g x 0.33 = 5g
ω3上限摂取量 = 25g x 0.33 = 8g
ω6下限摂取量 = 17g x 0.66 = 11g
ω6上限摂取量 = 25g x 0.66 = 16g
ω3の摂取量は5g~8g、ω6の摂取量は11g~16gとなります。
摂取量の推奨値はω3:3g以上、ω6:10g以上ですから妥当な結果といえます。

まとめ:1日の脂肪摂取量の目安

脂肪の摂取量:44g~66g
飽和脂肪酸:10g~15g
一価不飽和脂肪酸:17g~25g
多価不飽和脂肪酸
ω3: 5g~ 8g
ω6:11g~16g
総エネルギー量には個人差がありますので、摂取量の増減があると思いますが、成人男子で上限値、成人女子で下限値が目安となりそうです。

 

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栄養素の種類と摂取基準

栄養素の種類と摂取量の目安(許容上限摂取量)

栄養素の種類   摂取量の目安/日

蛋白質       総エネルギー量の10%~20%
脂質        総エネルギー量の20%~30%
炭水化物      総エネルギー量の50%~60%
植物繊維      総エネルギー量1000kcal毎に14g

ビタミン(脂溶性) 

ビタミンA     成人男子:800μg~900μg
          成人女子:650μg~700μg
          許容上限摂取量:2700μg
ビタミンD     5.5μg
          許容上限摂取量:100μg
ビタミンE     成人男子:7mg
          成人女子:6.5mg
ビタミンK     150μg

ビタミン(水溶性)

ビタミンB1    成人男子:1.1mg
          成人女子:0.8mg
          上記に加えて総エネルギー量1000kcal毎に0.35mg
ビタミンB2    1.3mg~1.6mg以上(許容上限未設定)
ビタミンB6    成人男子:1.4mg(許容上限:50mg)
          成人女子:1.2mg(許容上限:40mg)
ビタミンB12   2.4μg(許容上限未設定)
葉酸        240μg(許容上限:900μg)
ナイアシン     成人男子:15mg(許容上限:350mg)
          成人女子:12mg(許容上限:250mg)
ビオチン      50μg(許容上限未設定)
ビタミンC     100mg(許容上限未設定)

ミネラル類(無機栄養素)

鉄         成人男子:7.5mg(許容上限:40mg)
          成人女子:10.5mg(許容上限:40mg)
銅         成人男子:1.0mg(許容上限:10mg)
          成人女子:0.8mg(許容上限:10mg)
亜鉛        成人男子:10mg(許容上限:40mg)
          成人女子:8mg(許容上限:35mg)
モリブデン     成人男子:25μg~30μg(許容上限:550μg)
          成人女子:20μg~25μg(許容上限:450μg)
マンガン      成人男子:4.0mg(許容上限:11mg)
          成人女子:3.5mg(許容上限:11mg)
セレン       成人男子:30μg(許容上限:400μg)
          成人女子:25μg(許容上限:330μg)
ヨウ素       130μg(許容上限:3000μg)
クロム       10μg
カリウム      成人男子:3000mg
          成人女子:2600mg
カルシウム     成人男子:700mg(許容上限:2500mg)
          成人女子:650mg(許容上限:2500mg)
ナトリウム     成人男子:1.5g(許容上限:8g)
          成人女子:1.5g(許容上限:7g)
マグネシウム    成人男子:320mg~370mg
          成人女子:270mg~290mg
リン        成人男子:1000mg(許容上限:3000mg)
          成人女子:800mg(許容上限:3000mg)