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脂質の働きと適切な摂取量


脂質

三大栄養素のなかで最も高いエネルギーを生成する重要なエネルギー源で、炭素、水素、酸素で構成されています。
エネルギー源以外にも、ホルモン、細胞膜、核膜の構成、皮下脂肪として臓器の保護、脂溶性ビタミン(A、E、D、K)の吸収を促進させるなど重要な役割があります。
しかし摂取過剰となると肥満の原因となり、様々な病気を誘発する要因となります。

脂肪酸(脂質の構成成分)の分類

■飽和度による分類

飽和脂肪酸

主に動物性脂肪に多く含まれていますが、ココナッツ、パーム油などの植物脂肪にも多く含まれています。
体内で生成できるもので、炭素結合がなく常温では主に固体の形状となります。
過剰摂取は心血管疾患、糖尿病のリスクが高まり、過小摂取でも脳卒中のリスクが高まります。
摂取量の目安は総エネルギー量の4.5%~7%の範囲とされています。(総エネルギー2000kcalとして90~140kcal:10g~15g)
肉、卵黄、牛乳、バター、チョコレートなどに多く含まれています。

不飽和脂肪酸

主に植物性脂肪に多く含まれていますが、青魚などの動物性脂肪にも多く含まれています。
炭素結合があって常温では主に液体の形状。

一価不飽和脂肪酸

ω9(オメガ9)脂肪酸
体内で生成できるもので、炭素の二重結合が一つあります。

多価不飽和脂肪酸

2種類の脂肪酸(ω3、ω6)に分類され、炭素の二重結合が二つ以上あるもので、体内で生成できないため必須脂肪酸とも言われています。
ω3(オメガ3)脂肪酸
摂取量の目安:3g以上
αリノレン酸、DHA、EPAなどがあります。
摂取量の目安は、αリノレン酸(2g以上)、DHA、EPAの合計(1g以上)
青魚、亜麻仁油などに多く含まれます。
ω6(オメガ6)脂肪酸
摂取量の目標値:10g以上
リノール酸
ごま油、オリーブ油などの植物油に多く含まれます。

■摂取量と摂取割合の目安

①脂肪の摂取量は、1日の総エネルギー量の20%~30%の範囲です。
総エネルギーを2000kcalとすると400kcal~600kcal、脂肪1gは9kcal相当ですから44g~66gとなります。
②飽和脂肪酸は総エネルギー量の4.5%~7%の範囲
総エネルギーを2000kcalとすると90kcal~140kcal、10g~15gとなります。
脂肪の総摂取量(44g~66g)から飽和脂肪酸の摂取量(10g~15g)を引くと、残りは34g~51gです。
不飽和脂肪酸の上限摂取量は特に定められていないため、残りの34g~51gを一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に1:1で割り振った場合
③一価不飽和脂肪酸の摂取量
下限摂取量 = 34g ÷ 2 = 17g(小数点以下切り捨て)
上限摂取量 = 51g ÷ 2 = 25g(小数点以下切り捨て)
一価不飽和脂肪酸の摂取量は17g~25gとなります。
④多価不飽和脂肪酸の摂取量
同様に多価不飽和脂肪酸の摂取量は17g~25gとなります。
ω3とω6の摂取比率は、1:1~1:4の範囲ですが、これを1 : 2とすると
ω3下限摂取量 = 17g x 0.33 = 5g
ω3上限摂取量 = 25g x 0.33 = 8g
ω6下限摂取量 = 17g x 0.66 = 11g
ω6上限摂取量 = 25g x 0.66 = 16g
ω3の摂取量は5g~8g、ω6の摂取量は11g~16gとなります。
摂取量の推奨値はω3:3g以上、ω6:10g以上ですから妥当な結果といえます。

まとめ:1日の脂肪摂取量の目安

脂肪の摂取量:44g~66g
飽和脂肪酸:10g~15g
一価不飽和脂肪酸:17g~25g
多価不飽和脂肪酸
ω3: 5g~ 8g
ω6:11g~16g
総エネルギー量には個人差がありますので、摂取量の増減があると思いますが、成人男子で上限値、成人女子で下限値が目安となりそうです。

 

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栄養素の種類と適切な摂取量


栄養素の種類と摂取量の目安(許容上限摂取量)

栄養素の種類   摂取量の目安/日

蛋白質       総エネルギー量の10%~20%
脂質        総エネルギー量の20%~30%
炭水化物      総エネルギー量の50%~60%
植物繊維      総エネルギー量1000kcal毎に14g

ビタミン(脂溶性) 

ビタミンA     成人男子:800μg~900μg
          成人女子:650μg~700μg
          許容上限摂取量:2700μg
ビタミンD     5.5μg
          許容上限摂取量:100μg
ビタミンE     成人男子:7mg
          成人女子:6.5mg
ビタミンK     150μg

ビタミン(水溶性)

ビタミンB1    成人男子:1.1mg
          成人女子:0.8mg
          上記に加えて総エネルギー量1000kcal毎に0.35mg
ビタミンB2    1.3mg~1.6mg以上(許容上限未設定)
ビタミンB6    成人男子:1.4mg(許容上限:50mg)
          成人女子:1.2mg(許容上限:40mg)
ビタミンB12   2.4μg(許容上限未設定)
葉酸        240μg(許容上限:900μg)
ナイアシン     成人男子:15mg(許容上限:350mg)
          成人女子:12mg(許容上限:250mg)
ビオチン      50μg(許容上限未設定)
ビタミンC     100mg(許容上限未設定)

ミネラル類(無機栄養素)

鉄         成人男子:7.5mg(許容上限:40mg)
          成人女子:10.5mg(許容上限:40mg)
銅         成人男子:1.0mg(許容上限:10mg)
          成人女子:0.8mg(許容上限:10mg)
亜鉛        成人男子:10mg(許容上限:40mg)
          成人女子:8mg(許容上限:35mg)
モリブデン     成人男子:25μg~30μg(許容上限:550μg)
          成人女子:20μg~25μg(許容上限:450μg)
マンガン      成人男子:4.0mg(許容上限:11mg)
          成人女子:3.5mg(許容上限:11mg)
セレン       成人男子:30μg(許容上限:400μg)
          成人女子:25μg(許容上限:330μg)
ヨウ素       130μg(許容上限:3000μg)
クロム       10μg
カリウム      成人男子:3000mg
          成人女子:2600mg
カルシウム     成人男子:700mg(許容上限:2500mg)
          成人女子:650mg(許容上限:2500mg)
ナトリウム     成人男子:1.5g(許容上限:8g)
          成人女子:1.5g(許容上限:7g)
マグネシウム    成人男子:320mg~370mg
          成人女子:270mg~290mg
リン        成人男子:1000mg(許容上限:3000mg)
          成人女子:800mg(許容上限:3000mg)


炭水化物の働きと適切な摂取量


炭水化物

炭水化物は単糖から構成されているものを総称した名称です。
体内で消化吸収されエネルギー源となる糖質、消化吸収されずエネルギー源とならない植物繊維があります。

炭水化物の種類

・単糖類:1個の単糖、ブドウ糖、果糖、ガラクトーク

・二糖類:2個の単糖、ブドウ糖と果糖が結合したショ糖(砂糖)、ブドウ糖とガラクトークが結合した乳糖(牛乳に多く含まれる)、麦芽糖

・小糖類:2~10個の単糖(オリゴ糖):オリゴ糖には腸内善玉菌を増やす効果があります。

・多糖類:10個を超える単糖、ブドウ糖が多数結合したデンプン、グリコーゲン、植物繊維も多糖類に分類されます。

炭水化物の適切な摂取量

身体の健康を維持するためには適量のエネルギー量が必要となり、1日に摂取する総エネルギーの50%~60%を炭水化物から摂取する必要があります。
1日に必要な総エネルギー量を2000kcalとすると、炭水化物から摂取するエネルギー量は1000kcal~1200kcalに相当します。
炭水化物は、1gで4kcalのエネルギー量になりますから、1日の摂取量は250g~300gとなります。
※総エネルギー量は身長、性別、年齢、運動量などによって必要量が異なります。

炭水化物過剰症

炭水化物(糖質)は消費エネルギーとして使われ、余った分は脂肪として蓄積され体脂肪の増加(肥満)の原因となります。
体脂肪の増加は更に糖尿病や他の成人病の要因となり過剰摂取には注意が必要です。

炭水化物欠乏症

炭水化物は血液中のブドウ糖を生成しています。
脳のエネルギー源は血液中のブドウ糖ですが、脳は睡眠中であってもブドウ糖を消費し続けています。
炭水化物の欠乏はブドウ糖の不足となり、脳は正常な働きを失い、酸素欠乏症と同じように思考能力、判断力、注意力、集中力の低下を招く要因となります。

炭水化物の多い食品

米飯、麺類、パン、イモ類、砂糖など
砂糖は血糖値を急激に上昇させるため、摂取量を控えたほうが良いでしょう。

 

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